パスカル・ロジェ
芸術の秋の始まりとして、ピアノコンサートに行きました。演奏はフランス人のパスカル・ロジェ。
サティ・ラヴェル・プーランク・ドビュッシーのフランスものばかり。
とにかく素晴らしかった。計算尽くされた構築、全ての音に思いが込められた、そんな演奏でした。
ドビュッシー 「沈める寺」 低音の海の深さ、厳かな僧院を感じさせる和音群、眩しいばかり高音の響きや柔らかい波の旋律の動き それらが 同時に重なり合い、そしてどの音色も生かされている見事さ。 「西風のみたもの」 あたかも、砂埃と一緒に枯れ枝や無数の枯葉、風にしか見れない無数の物が舞う様子、 こんな曲名をイメージするドビュッシーの感性 と 演奏の再現力の凄さ( ぼーっとしている自分との違い )に、心が洗われました。
アンコールの「雨の庭」「月の光」。「月の光」では、会場も 月あかりの静けさに包まれました。そして、最後の音が終わり感謝の思いに包まれたとき、パスカル・ロジェの手が鍵盤から離れ、一瞬合掌をし演奏会が終わりました。自然と涙が出ました。他の何人ものの方と共に、立ち上がって拍手をしました。ちょろっと涙が止まらない帰り道の山の手線。
翌日の今も、思い出すとこみ上げてくるものがあります。音楽って素晴らしい。
0コメント