「愛の夢」第3番 ➁の巻
奮闘記編。
この曲、譜面を見ると比較的簡単そうで、前半部分はどうにかでも弾ける。中間部もゆっくり、のったりならどうにか音をたどれ、初回でも最後までなんとか弾き通せる、故に練習すればどうにかなる、と思える。
まず初めに時間をかけるのが、中間部あたりの速く感じる部分。音の跳躍も激しく、黒鍵も多い。しかも両手の跳躍は、簡単には速くは弾けない、苦手なところの部分練習につきる細かい音符のパッセージもある。1小節を何度も練習すると、すぐに1時間がたってしまう。鍵盤という白と黒の平均台に、指が吸い込まれるようにのらないと不安なのだが、なかなかその域には達しない。
どうにか、速い部分も弾けるようになったと思って、全曲を弾く。だが、録音してみると、いかに自分が音を聴けていないかと再認識。また、知り合いや家族に聴いてもらうと緊張のためか、たくさんは練習していない「難しくないところ」の暗譜があやふやだったと思いしらされる。そこで、楽譜を頭にインプットできるように覚えようとする。
また、柔らかい音ばかり目指していると、音が浮いたようになってくると感じる。音のコントロールができるように、全部分をゆっくりテンポで、曲想に関係なく全部フォルテや全部ピアノでも練習してみる。スタッカートでも弾いてみる。こうしているうちに、手の感覚が冴えてきたように感じ、指回りがよくなったように感じる。が、曲を弾いてみると、前以上に無味乾燥的な弾き方になってしまっていて、この曲のよさがわからなくなってきている。
改めて、いろんな人の演奏を聴いたり、楽譜を眺めて曲の解釈を考える。楽譜にも、たくさんの指示がある。センプレ ストリジェント(常に だんだん早く)、アッパッシオナート アッサイ(熱情的に 非常に)アッフレっタンド(いそいで)ドルチェ アルモニオーソ(甘い・やわらかな 協和的に)などなど。その気になって弾けば、気持ちばかりが先行し演た粗々しい演奏になってしまうし、冷静さを保とうとするとつまらない演奏になってします。改めて、自由自在に動く指のテクニックのなさを思い知る。
こんな試行錯誤の練習です。でも、時間ばかりかけた学生時代よりは、効率的な練習ができるようになったと感じているところです。
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